夏に気を抜けない高血圧管理 ~汗・脱水・薬の影響に注意!夏特有の変化を乗り切るポイント~
夏は血圧が下がると思われがちですが、油断は禁物。脱水や冷房の影響で高血圧が悪化するケースも。季節に応じた高血圧管理について内科の視点で解説します。
目次
- 夏の血圧の傾向と注意点
- 高血圧患者にとっての夏のリスクとは?
- 夏季における降圧薬の影響
- 内科でのアドバイスとモニタリング法
- 暑さに負けない生活習慣のポイント
- まとめ
1. 夏の血圧の傾向と注意点
気温が高くなる夏は、一般的に血管が拡張して血圧が低下しやすいとされます。しかし、すべての患者がこの傾向に当てはまるわけではありません。冷房の効いた室内と炎天下との寒暖差や、脱水、生活リズムの変化により、かえって血圧が変動しやすくなることもあります。特に高齢者ではこうした変動に身体が対応しにくく、頭痛・ふらつき・動悸などの症状が出ることもあります。
2. 高血圧患者にとっての夏のリスクとは?
リスク要因 | 詳細 |
---|---|
脱水 | 発汗による水分・電解質の喪失が血液を濃縮し、多臓器に影響が出る可能性 |
熱中症 | 高血圧により利尿薬などを使用していると、重症化しやすくなる |
食欲低下 | 栄養バランスが崩れ、塩分・カリウム不足による不整脈リスクも |
睡眠障害 | 冷房・湿度などの影響で睡眠の質が下がり、血圧変動を招く |
夏バテと高血圧は一見無関係に思われがちですが、実際には自律神経や体液バランスを介して密接に関係しています。
3. 夏季における降圧薬の影響
季節によって降圧薬の作用が変化する点も見逃せません。
- ACE阻害薬・ARB:発汗での脱水が強いと、急激な血圧低下や腎機能障害のリスクが増します。
- 利尿薬:暑さによる自然な脱水に加え、薬の利尿作用でさらに体液喪失が進む可能性。
- カルシウム拮抗薬:気温が高いと血管が拡張しすぎ、ふらつきやむくみが出やすくなることも。
降圧薬の服用は勝手に中止せず、違和感があれば医師に相談し、必要に応じて季節に応じた用量調整を行いましょう。
4. 内科でのアドバイスとモニタリング法
管理ポイント | 解説 |
血圧測定 | 夏でも朝晩の定時測定を継続。体調不良時は追加測定を |
水分補給 | 一日1.5〜2Lの水分を目安に。糖分・塩分に注意 |
検査フォロー | 夏季は電解質(Na/K)や腎機能(Cr/eGFR)のチェックも推奨 |
薬の見直し | 症状・気候・生活変化を踏まえ、処方内容を医師と確認 |
気温の変化に応じて柔軟な対応を行うことが、重篤な合併症の予防につながります。
5. 暑さに負けない生活習慣のポイント
- こまめな水分補給:のどの渇きを感じる前に飲むことが大切です。
- 塩分の取りすぎ注意:夏場でも「かくれ塩分」には要注意。加工食品や市販品に含まれる塩分に注意しましょう。
- 室内温度管理:冷房は26〜28℃を目安に、冷えすぎを防ぐ服装も工夫。
- 食事の工夫:トマトやキュウリ、豆類などのカリウム・マグネシウムが豊富な食材を活用。
- 軽度の運動習慣:早朝や夕方の涼しい時間にウォーキングやストレッチを取り入れましょう。
6. まとめ
高血圧の管理は一年を通じて必要ですが、夏は体調や生活リズムが乱れやすいため、特に注意が必要です。脱水、熱中症、薬の影響など、夏特有のリスクを意識しながら、日々の血圧管理と生活習慣の見直しを行いましょう。 新宿駅 内科・心療内科クリニックでは、季節に応じた高血圧治療や生活指導を行っています。気になる症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。