夏に気を抜けない高血圧管理 ~汗・脱水・薬の影響に注意!夏特有の変化を乗り切るポイント~

夏は血圧が下がると思われがちですが、油断は禁物。脱水や冷房の影響で高血圧が悪化するケースも。季節に応じた高血圧管理について内科の視点で解説します。

12 June, 2025

目次

  1. 夏の血圧の傾向と注意点
  2. 高血圧患者にとっての夏のリスクとは?
  3. 夏季における降圧薬の影響
  4. 内科でのアドバイスとモニタリング法
  5. 暑さに負けない生活習慣のポイント
  6. まとめ

1. 夏の血圧の傾向と注意点

気温が高くなる夏は、一般的に血管が拡張して血圧が低下しやすいとされます。しかし、すべての患者がこの傾向に当てはまるわけではありません。冷房の効いた室内と炎天下との寒暖差や、脱水、生活リズムの変化により、かえって血圧が変動しやすくなることもあります。特に高齢者ではこうした変動に身体が対応しにくく、頭痛・ふらつき・動悸などの症状が出ることもあります。

2. 高血圧患者にとっての夏のリスクとは?

リスク要因

詳細

脱水

発汗による水分・電解質の喪失が血液を濃縮し、多臓器に影響が出る可能性

熱中症

高血圧により利尿薬などを使用していると、重症化しやすくなる

食欲低下

栄養バランスが崩れ、塩分・カリウム不足による不整脈リスクも

睡眠障害

冷房・湿度などの影響で睡眠の質が下がり、血圧変動を招く

夏バテと高血圧は一見無関係に思われがちですが、実際には自律神経や体液バランスを介して密接に関係しています。

3. 夏季における降圧薬の影響

季節によって降圧薬の作用が変化する点も見逃せません。

  • ACE阻害薬・ARB:発汗での脱水が強いと、急激な血圧低下や腎機能障害のリスクが増します。
  • 利尿薬:暑さによる自然な脱水に加え、薬の利尿作用でさらに体液喪失が進む可能性。
  • カルシウム拮抗薬:気温が高いと血管が拡張しすぎ、ふらつきやむくみが出やすくなることも。

降圧薬の服用は勝手に中止せず、違和感があれば医師に相談し、必要に応じて季節に応じた用量調整を行いましょう。

4. 内科でのアドバイスとモニタリング法

管理ポイント

解説

血圧測定

夏でも朝晩の定時測定を継続。体調不良時は追加測定を

水分補給

一日1.5〜2Lの水分を目安に。糖分・塩分に注意

検査フォロー

夏季は電解質(Na/K)や腎機能(Cr/eGFR)のチェックも推奨

薬の見直し

症状・気候・生活変化を踏まえ、処方内容を医師と確認

気温の変化に応じて柔軟な対応を行うことが、重篤な合併症の予防につながります。

5. 暑さに負けない生活習慣のポイント

  • こまめな水分補給:のどの渇きを感じる前に飲むことが大切です。
  • 塩分の取りすぎ注意:夏場でも「かくれ塩分」には要注意。加工食品や市販品に含まれる塩分に注意しましょう。
  • 室内温度管理:冷房は26〜28℃を目安に、冷えすぎを防ぐ服装も工夫。
  • 食事の工夫:トマトやキュウリ、豆類などのカリウム・マグネシウムが豊富な食材を活用。
  • 軽度の運動習慣:早朝や夕方の涼しい時間にウォーキングやストレッチを取り入れましょう。

6. まとめ

高血圧の管理は一年を通じて必要ですが、夏は体調や生活リズムが乱れやすいため、特に注意が必要です。脱水、熱中症、薬の影響など、夏特有のリスクを意識しながら、日々の血圧管理と生活習慣の見直しを行いましょう。 新宿駅 内科・心療内科クリニックでは、季節に応じた高血圧治療や生活指導を行っています。気になる症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

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