忙しい現代人に忍び寄る「隠れ貧血」 ~疲れやすさ・イライラ・眠気は鉄不足のサインかも~
検査では異常なし。でも、だるい・眠い・集中できない。それは「隠れ貧血」かもしれません。特に女性や働き盛りの世代に多い鉄不足の実態と内科での対処法を解説します。
目次
- 隠れ貧血とは?通常の貧血との違い
- 主な症状と日常への影響
- 原因となる生活習慣とリスク因子
- 内科で行う検査と診断
- 治療と生活改善のポイント
- 隠れ貧血がもたらす他の病気
- まとめ:早めの内科受診が体調改善の第一歩
1. 隠れ貧血とは?通常の貧血との違い
貧血とは血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態ですが、隠れ貧血はヘモグロビンが正常でも、鉄の貯蔵量(フェリチン)が低下している状態を指します。貯蔵鉄の不足は体調に影響を及ぼすにもかかわらず、健康診断では見逃されがちです。
2. 主な症状と日常への影響
よくある症状 | 日常生活での影響 |
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慢性的な疲労感 | 朝起きられない、集中力低下 |
頭痛・めまい | 立ちくらみやふらつき |
冷え性・むくみ | 冬場以外でも手足が冷たい |
イライラ・不安感 | 気分の浮き沈みが激しくなる |
爪の変形・抜け毛 | 栄養不良の影響が外見にも |
特に女性では月経による鉄損失も多く、若年~更年期女性に多く見られます。
3. 原因となる生活習慣とリスク因子
リスク因子 | 内容 |
---|---|
偏食・ダイエット | 肉・魚を控えると鉄分が不足しやすい |
月経 | 長期間の出血により鉄の慢性的な損失 |
妊娠・授乳 | 胎児や乳児への鉄供給による減少 |
激しい運動 | 赤血球の破壊や汗による鉄損失 |
ストレス | 胃腸機能低下→吸収力低下 |
男性でも胃潰瘍・大腸ポリープなど慢性出血がある場合は注意が必要です。
4. 内科で行う検査と診断
隠れ貧血の診断には以下の血液検査が必要です:
- 血清フェリチン:貯蔵鉄の指標。20ng/mL以下は不足傾向
- 血清鉄・TIBC:血中の鉄分とその結合能力
- ヘモグロビン・赤血球数:通常の貧血の指標
問診と合わせて、必要に応じて胃・大腸内視鏡などの精査も行います。
5. 治療と生活改善のポイント
治療・対策 | 解説 |
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鉄剤内服 | 第1選択。副作用(便秘・胃部不快感)に注意 |
食事改善 | 赤身肉・レバー・小松菜・大豆など鉄分の多い食材を摂取 |
ビタミンC併用 | 鉄の吸収を高める(例:果物や野菜と一緒に) |
胃腸ケア | 胃炎があると吸収が低下→漢方や胃薬の併用を考慮 |
睡眠・運動の質向上 | 回復には生活リズムの整備も重要 |
治療には数ヶ月単位の継続が必要となるため、継続的なフォローが大切です。
6. 隠れ貧血がもたらす他の病気
- 甲状腺機能低下症・慢性疲労症候群と誤診されることも
- 妊婦では早産・低出生体重児のリスク増加
- 高齢者では転倒・フレイル(虚弱)を招く要因に
- ADHD様症状・うつ症状との関連が指摘されることも
貧血=単なる栄養不足と考えず、全身の健康に関わる因子として捉えることが重要です。
7. まとめ:早めの内科受診が体調改善の第一歩
「疲れやすい」「なんとなく不調が続く」そんな時は、隠れ貧血を疑ってみてください。
新宿駅 内科・心療内科クリニックでは、鉄欠乏に関する専門的な血液検査や、体質に合わせた治療を行っています。女性や忙しい働き世代の方も、気軽にご相談ください。