発熱=感染症とは限らない? 夏に増える「熱中症による発熱」と正しい見分け方

夏に起こる発熱は、感染症だけでなく「熱中症」が原因のことも。熱中症による発熱の特徴、感染症との見分け方、すぐに受診すべき症状、自宅でできるケア方法について解説します。新宿駅 内科・心療内科クリニックの医師が解説。

18 June, 2025

目次

  1. 夏の発熱=すべて感染症ではない
  2. 熱中症による発熱の特徴とは?
  3. 感染症との違いを見極めるポイント
  4. こんな症状があればすぐに受診を
  5. 自宅での応急処置と予防法
  6. 医師からのアドバイス

1. 夏の発熱=すべて感染症ではない

気温や湿度の高い日本の夏。毎年、外来では「熱が出た」と訴える患者さんが増えます。しかし、そのすべてがウイルスや細菌による感染症とは限りません。

とくに近年増えているのが、「熱中症による体温上昇(中枢性高体温)」です。これは感染による発熱とは異なるメカニズムで起こるため、対応法も違います。


2. 熱中症による発熱の特徴とは?

熱中症による体温上昇は、「体の冷却機能の破綻」によって起こります。ポイントは以下の通りです:

項目

熱中症による発熱

感染症による発熱

発症のきっかけ

炎天下や高温多湿の屋内

ウイルスや細菌感染

発熱の性質

急激で持続的

徐々に上がることが多い

他の症状

頭痛・めまい・倦怠感・発汗停止

咽頭痛・咳・鼻水など部位特異的症状

発汗

初期は多い→重症化で止まることも

強い変化は見られない

意識障害

重症時に見られる

基本的にはない


3. 感染症との違いを見極めるポイント

自宅で判断が難しい場合もありますが、以下のような点を意識すると区別の手がかりになります:

  • のどの痛みや咳、鼻水などの局所症状があれば感染症を疑う
  • 発熱前後に強い日差しを浴びていた、屋外作業していた場合は熱中症の可能性が高い
  • 38℃以上の高体温が持続し、冷やしても下がらない場合は中枢性発熱の可能性

4. こんな症状があればすぐに受診を

以下のような症状がある場合は、自己判断せず医療機関を受診してください:

  • 体温が39℃以上で持続し、解熱剤が効かない
  • 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応が鈍い
  • 発汗がなく、喉や皮膚が乾いている
  • 嘔吐や下痢が続いて水分が摂れない
  • 高齢者や基礎疾患のある方で全身状態が悪い

5. 自宅での応急処置と予防法

応急処置のポイント

  • 涼しい場所へ移動
  • 衣類をゆるめ、体表を冷やす(首、脇、足の付け根など)
  • 経口補水液などで水分・電解質を補給
  • 扇風機や冷房で室温を下げる

予防法のチェックリスト

項目

チェック

室温28℃以下に保っている

水分を1日1.5L以上摂っている

外出時は帽子や日傘を使っている

高温時は無理せず屋内で休む

朝食を抜かずにしっかり食べる


6. 医師からのアドバイス

夏場の発熱=感染症と思い込み、不要な抗菌薬の処方や医療機関の混雑を招くケースが増えています。
特に高齢者では熱中症の自覚が乏しく、軽症でも油断は禁物です。
体調がすぐれない時は、「いつ・どこで・何をしていたか」を振り返り、正確な判断につなげましょう。
必要なときには、新宿駅 内科・心療内科クリニックにご相談ください。


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