雨で運動不足→メタボ予備軍へ? ~在宅ワーク世代の健康を守る内科的アプローチ~
梅雨や長雨による運動不足が「メタボ予備軍」を増やす一因に。特に在宅ワーク層に向けて、内科医が推奨する予防策と日常の健康管理法を詳しく紹介します。
目次
- 雨続きで運動量が減る理由とは?
- メタボ予備軍とは?どう見分ける?
- 在宅ワークの落とし穴:活動量と代謝の低下
- 内科的視点からの健康リスク
- 日常でできる内科的フォローと予防策
- 医療機関に相談する目安とメリット
- まとめ
1. 雨続きで運動量が減る理由とは?
梅雨や台風などの天候不良が続くと、通勤や買い物などの生活活動が制限されます。特に都市部では外出自体が減り、歩行数が通常の半分以下になることも珍しくありません。運動不足が慢性化すれば、体脂肪の蓄積や代謝の低下につながり、知らず知らずのうちに体重が増加することになります。
2. メタボ予備軍とは?どう見分ける?
メタボリックシンドロームの診断基準に達していないものの、血圧・血糖・中性脂肪などの項目で軽度の異常がみられる状態を「メタボ予備軍」と呼びます。この段階での予防が極めて重要です。
判定項目 | 境界値(予備軍の目安) |
---|---|
ウエスト | 男性85cm以上/女性90cm以上 |
血圧 | 130/85 mmHg以上 |
空腹時血糖 | 100~109 mg/dL |
中性脂肪 | 150~199 mg/dL |
HDLコレステロール | 40mg/dL未満 |
予備軍の段階で改善すれば、将来的な糖尿病・高血圧・脂質異常症の発症リスクを大きく減らすことができます。
3. 在宅ワークの落とし穴:活動量と代謝の低下
在宅勤務では通勤・階段昇降などの“無意識の運動”がなくなり、1日の消費カロリーが100〜200kcalも減少するとされています。さらに、食事のコントロールが難しくなり間食も増えがちで、脂質・糖質の過剰摂取にもつながります。これらは数か月単位で見ると体重増加や血糖上昇に直結します。
4. 内科的視点からの健康リスク
- 内臓脂肪の蓄積:腹囲の増大とともに、動脈硬化や脂肪肝のリスクが上昇
- 耐糖能異常:食後高血糖や空腹時高血糖が現れ、糖尿病予備軍に
- 高脂血症:中性脂肪やLDLコレステロールの上昇により心血管疾患のリスク上昇
- 高血圧傾向:運動不足と塩分過多によって血圧が上がることも
- メンタルヘルスの低下:運動不足や生活リズムの乱れにより抑うつ症状が現れやすくなる
5. 日常でできる内科的フォローと予防策
対策 | 実践例 |
---|---|
室内運動 | ストレッチ、ラジオ体操、踏み台昇降などを1日15〜30分程度 |
食事管理 | 朝食を抜かず3食のリズムを守る。加工食品・間食の見直し |
生活リズム | 毎朝決まった時間に起床し、日中は日の光を浴びる |
健康モニタリング | 血圧計・体重計・アプリを使って日々の記録をつける |
定期健診 | 少なくとも年1回の血液検査と内科チェックを推奨 |
6. 医療機関に相談する目安とメリット
- BMIが25以上になったとき
- 血圧や血糖値が基準値を超える傾向が見られたとき
- 1か月以上体重が減らない/増加傾向にあるとき
内科では、健康診断結果に基づいた生活指導や、必要に応じて栄養指導・運動療法を組み合わせた治療を行うことができます。将来的な生活習慣病を予防するには、早めのアプローチが重要です。
7. まとめ
雨が続く季節は、気分も下がり運動も減りがちですが、こうした時期だからこそ健康に目を向けるチャンスです。在宅ワーク世代は自分で健康を管理する習慣をつけることが不可欠です。日常生活に小さな変化を取り入れ、必要に応じて医療機関でのチェックやアドバイスを受けましょう。
新宿駅 内科・心療内科クリニックでは、生活習慣病の予防・管理に特化した健診プランや個別相談を実施しています。お気軽にご相談ください。