夜中や朝方に咳が出る…それ「咳喘息」かもしれません ― 長引く咳、風邪と思っていませんか?喘息との違いと正しいケアを解説 ―
夜や朝方に咳が続く場合、咳喘息の可能性があります。風邪や後鼻漏との違い、診断のポイント、吸入薬の使い方、日常生活の注意点まで、内科医がわかりやすく解説します。
24 May, 2025
目次
- 咳喘息とは?その特徴と症状
- 風邪や後鼻漏との違いとは?
- 診断の流れと検査内容
- 咳喘息の治療と吸入薬の使い方
- 喘息と間違われやすい疾患一覧(表)
- 日常生活でできる予防と注意点
- まとめ
1. 咳喘息とは?その特徴と症状
咳喘息とは、喘鳴(ヒューヒュー音)や呼吸困難を伴わず、咳だけが続く喘息の一種です。
- 咳が8週間以上続くことが多い
- 夜間・早朝に強くなる傾向がある
- 喉の奥がむずむずする、刺激で咳が止まらなくなる
- 運動・気温差・喫煙・花粉・風邪がきっかけになる
2. 風邪や後鼻漏との違いとは?
咳が長引く原因はさまざまです。
疾患名 | 主な特徴 | 持続期間 | その他の症状 |
---|---|---|---|
風邪 | 発熱・鼻水あり、数日〜1週間 | 短い | 倦怠感、のどの痛み |
後鼻漏 | 鼻水が喉に垂れ込む感覚 | 数週間〜 | 痰が絡む、違和感 |
咳喘息 | 咳だけが続く、夜に悪化 | 8週以上 | 発作性の乾いた咳 |
咳喘息を見逃すと、数年以内に「気管支喘息」に進行するリスクがあります。
3. 診断の流れと検査内容
- 問診(咳の時間帯、期間、悪化因子など)
- 聴診(異常がないことも多い)
- 呼気NO(一酸化窒素)測定で気道の炎症をチェック
- 気管支拡張薬(吸入薬)による改善反応の確認
4. 咳喘息の治療と吸入薬の使い方
主な治療は気管支の炎症を抑える吸入ステロイド薬です。
- 吸入ステロイド薬(ICS)を1〜2か月使用し様子を見る
- 必要に応じて気管支拡張薬(LABA)を併用
- 飲み薬(抗アレルギー薬、抗ロイコトリエン薬)を併用することも
正しい吸入方法を守らないと薬の効果が十分に出ません。
- 吸入前の呼吸法、吸入後のうがいは必須
- デバイス(吸入器具)の選択も症状や年齢で調整
5. 喘息と間違われやすい疾患一覧(表)
疾患名 | 鑑別のポイント |
---|---|
後鼻漏 | 鼻水が喉に垂れる感覚、痰が絡む咳 |
GERD(逆流性食道炎) | 胸焼け、食後や就寝時に悪化する咳 |
ACE阻害薬による副作用 | 降圧薬使用後に出る乾いた咳 |
慢性副鼻腔炎 | 鼻づまり、黄色い鼻水、頭痛を伴う |
6. 日常生活でできる予防と注意点
- 禁煙・受動喫煙の回避
- 寒暖差への対応(マスク・スカーフ)
- 寝具の清潔管理(ハウスダスト対策)
- 風邪をきっかけに咳が長引くときは早めの受診を
7. まとめ
咳喘息は「咳だけが続く風邪」と思われがちですが、放置すると本格的な喘息へ進行する可能性があります。「新宿駅 内科・心療内科クリニック」では、診断から治療・吸入指導まで対応しています。咳が長引く方はぜひ一度ご相談ください。